投稿者:30代女性
私が19歳の時です。
大学進学のタイミングで実家を出て初めての1人暮らしを始めました。
慣れない生活に毎日悪戦苦闘です。
ある日、ゴミ出しをする際に同じアパートの若い男性と出くわしました。
引っ越しの挨拶の時に軽く言葉を交わした程度でしたが、結構イケメンの社会人です。
出来ればお近づきになりたいと思っていましたが引っ込み思案なのでなかなか話しかけられません。
すると男性の方から「おはようございます」と挨拶をされました。
一瞬あっけに取られましたが、慌てて挨拶し返すと「貴方、よくスーパーで見かけますよ。必死で食材見比べてて、料理とか家事頑張ってるんですね」と思わぬ誉め言葉が返って来ました。
私は親も近くに居ない状況で、孤軍奮闘な1人暮らしだった為、人に頑張りを認めてもらえた事がとても嬉しく感じました。
私は一気に彼が好きになりました。
その後も、度々ゴミ出しや朝の登校、出勤時間に顔を合わせ何気ない会話を楽しみました。
いつも彼は優しく私の話を聞いてくれて、落ち込んでいる時は励ましてもくれました。
彼は心細かった1人暮らしのビタミンとなりました。
1人で家に居る時は、彼の事を思い浮かべてニヤニヤする始末です。
このまま思い出を重ねて行って、いつか恋人になれたらと密かに胸に秘めていましたが別れは突然来ました。
彼が転勤となり、引っ越すことになったのです。
それを聞かされたのは別れの3日前です。
突然の事にショックを受けましたが、現実は変えられません。
このまま離れ離れになっても良いのかと自分に問いかけ、思いを告げないままなのは嫌だと思いました。
別れの前日、私は思いきってずっと好きだった事を告げました。
彼は驚いていましたが、ゆっくりと「貴方の気持ちは嬉しいけど応えられないよ。ごめんね。でも、色々お喋り出来てとても楽しかった。ありがとう。」とお返しを告げるのです。
傷つけまいとする彼の優しさの為か、不思議とショックは受けませんでした。
むしろ、思いを漸く告げられた安堵とすっきり感が私を包んでいました。
それから、翌日は彼を見送り互いに笑顔でお別れが出来ました。
失恋した事は少し悲しかったですが、それ以上に彼と良い思い出が出来た事が嬉しかったです。
彼の転勤で恋は終わってしまいましたが素敵な思い出になっているようでよかったですね♪
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