憧れのバレー部の先輩に寄り添ったひと夏の思い出-夏の恋愛エピソード

恋愛エピソード

高校生の時の話です。当時1年生だった私は、3年生の先輩に恋をしていました。
バレー部の先輩で、背が高く爽やかイケメンでした。
少しでも先輩に近づきたくて、経験も無いのにバレー部に入部した程でした。

部活は当然男女で分かれている為、練習中に直接関わる事は出来ません。それでも、同じ体育館の中で同じスポーツに汗を流している事が嬉しかったです。
夏の大会が近づき、先輩はより一層練習に熱を入れていました。しかし、それによって先輩は足を負傷してしまったのです。
最後の大会だと言うのに、出場は絶望的でした。先輩は気丈に振舞っていましたが、ある日私は見てしまいました。

校舎の影で先輩は悔し涙を流していたのです。その姿に、私は思わず近づいて「あの、大丈夫ですか?」と声をかけてしまいました。
先輩は酷く驚いていました。急いでティッシュを渡すと盛大に鼻をかんでいました。勢いに任せて行動してしまった事に今更ながら「なにやってるの、私」と恥ずかしくなり、そのまま立ち去ろうとしたら何と先輩が引き留めて来たのです。

「ごめん、ちょっとここに居てよ」と普段の先輩からは想像が付かない弱弱しい様子に、思わず背中をさすり暫く無言で過ごしました。
先輩が落ち着いて来ると「変な所見せちゃったね」と気まずそうに釈明します。
私は「放っておけなくて…」としどろもどろです。「君、女子バレー部の子だよね。いつも練習頑張ってるの見るよ」と先輩はいつもの調子で話して来ます。

私は先輩を慰めるつもりだったのに、いつの間にか気を遣わせてしまっていました。それでも、私は初めて憧れの先輩と話す事が出来て胸がどきどきしました。
別れ際「怪我のせいで少し自暴自棄になってたけど、君が来てくれて良かったよ」と感謝されました。
こんな私でも、少しでも先輩の役に立てた事が嬉しかったです。

その後も先輩が好きでしたが、自分に勇気が無くて再度関りを持つことが出来ませんでした。
でも、あの時の先輩に寄り添い支えになれた事は良い思い出です。先輩に片思いしていた事は無駄では無かったと思います。

ケガをしてしまった憧れの先輩に寄り添えたことはすごくいい思い出になったでしょうね。
あの時勇気を出して告白していれば・・・
なんて思えるのも学生時代のひと夏の恋ならではだと思います♪

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