投稿者:10代女性
高校生の頃の話です。
クリスマスの夜、街は美しいイルミネーションで彩られていました。寒い日だったので、白い息が寒さを強調していたのを思い出します。
待ち合わせをしていたのは近所の公園。小さな頃に私がよく遊んでいた公園です。待ち合わせの相手は幼馴染の彼でした。
いつも2人でその公園で遊んでいて、思い出のある場所です。昔から彼はみんなの注目の的で、今ではサッカー部のエース。
幼馴染の私にさえも眩しい存在でした。このクリスマスのチャンスを逃したくないと、ずっと心の奥底で育ててきた気持ちを今日こそ伝えようと決心していました。
やがて、彼が待ち合わせの公園に来てくれました。彼の姿を見た瞬間、思わず息を呑みました。真正面から彼を見たのは久しぶりだったからです。
「久しぶり、ここで会うのいいね」と言って、彼は少し照れくさそうに笑いました。小さな頃には感じなかった男らしい顔つきにドキドキしたのを覚えています。
私たちは小さな頃に遊んだ思い出の場所のベンチに座りながら、思い出話をしました。2人で無邪気に滑り台で遊んだりしたことが、まるで昨日のことのように蘇りました。
一通り話し終わったとき、自然と沈黙が流れたのです。私はその瞬間を待っていました。「今がチャンスだ」と心の中で決意し、勇気を振り絞り、一言目を話そうとしたときです。
「これ、クリスマスのプレゼント。お前のことを考えて選んだんだ」と言いながら、彼は私に小さな包み紙を渡してくれました。包みを開けると中には小ぶりなアクセサリーが輝いていました。
思わず笑顔になった私に彼は真剣な表情になり、「お前のことが好きなんだ」。と言われたのです。
告白しようと思っていたのは私なので、思わず言葉を失いました。そんな言葉が彼から飛び出すなんて、全く予測不可能でした。多分、何十秒かは驚きで固まっていたと思います。
固まる私を見て、彼は困ったような顔をしていた気がします。
これは誤解されると思ったので、すぐに自分の気持ちも打ち明けました。
まさかクリスマスの奇跡が私に降りかかるとは。こんな嬉しいことは人生に二度とないと高校生ながらに思ったほどです。
そのまま手を繋ぎ、自宅までの3分だけの初デートをしました。お互いの家の前に着いたときにはもうこれまでの関係とは違う、次に家の前で会うときには彼にとって特別な人になるのだと思うと嬉しさが込み上げてきました。
きっと相手の男性もクリスマスの夜にデートって決まった後からドキドキしていたんでしょうね。
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